漁師料理の鯛料理

鯛の煮凝り

父が鯛をどこかからか入手してきて張り切って作っていた逸品です。
煮凝りというとしょうゆ味のゼリー的な、そんなものを想像される方も多そうですけれど、とんでもない。

まず、鯛をあら炊きにします。
もちろん、あら炊きにする前にあらかたの身の部分はちゃんと捌いてお造りにしてますよ。
ちなみに、父は鯛のお造りは絶対そのままにはせずに昆布締めにするんです。私はたまにはふつうのお刺身もいいなと思っているんですが、父はそこは絶対に譲りません。

それはさておき、煮凝りですが、炊き上がったあら炊きを煮汁と具に分けて、丁寧に小骨に至るまでしっかりと骨を取ります。
そして身だけを粗くほぐして煮汁と混ぜます。
それを型に流し込んで冷蔵庫で冷やし固める、という何とも手間がかかったお料理なんですよね。
父は海沿いの町で育ったので魚が大好きなのです。海なし県に育った母に代わって、魚料理だけは父の独壇場です。
できあがった煮凝りはぎっしり身が詰まっていて、一口含むととろっと煮汁がとろけて、身のきちきちとした歯ごたえがとってもおいしい!
味が濃いのでビールにもあいますし、当然日本酒にも焼酎にもあいます。あわせたことはないけれど多分白ワインにも合うのではないでしょうか。
アツアツのご飯に乗っけると解けた煮汁が絡んで何杯でも食べられる。
お酒にもごはんにもピッタリな父の自慢料理なのですけれど、面倒なのか最近は作ってくれません。
ネットで良い鯛通販とかできるので取り寄せておねだりしてみようかな。